注意事項

※素人の戯言なので観賞本数増えるごとに点数は微調しています。悪しからず。

2013年10月7日月曜日

映画『クロニクル』76点


2013年10月4日鑑賞。


首都圏のみの2週間限定公開のはずが、
早くも公開拡大が決定したという。


それもそのはず、この映画は面白い。
SF、超能力、超常現象モノが苦手なあなただったきっと楽しめる。
そして何よりも83分というコンパクトさも気軽にお薦めできる要素だ。


予告編を見て貰えれば分かるが、
高校生3人が超能力を手にして次第におかしなことに…という展開。


この映画はまず、低予算映画あるあるの
ファウンド・フッテ-ジという撮影方式で物語が進んでいく。

この撮影方式は、古くはブレア・ウィッチ・プロジェクトまで遡ることが出来る
映画の登場人物が回すカメラの映像目線で描かれたモノだ。
















そんな、もはや決して新しくない撮影手法ではありながら、
ホラー映画でも無いのに83分間目には見えない緊張感を維持できるのは
本来「手で持って」回すカメラを、超能力を手に入れたことによって、
カメラさえも超能力であやつり、地面から空まで変幻自在なアングルを
観客に体感させてしまうからだろう。


恐らくこのアイディアは、使い古されたと思われていた
ファウンド・フッテ-ジ系映画の中でも初めての試みで、
評価に値する点だろう。













※このシーンはカメラを空中に浮かせて撮影しているという設定



そんなカメラを回す主人公は、
2013年度上半期ベスト3に入る『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』
でも、ゴズリングの息子役として存在感を示したデイン・デハーン














彼はきっと大成するだろうなと思わせる存在感をこの映画でも放つ。

近年のハリウッドスターは、アイドル的な「王子様的イケメン」ではなく、
一癖も二癖もある、影を背負わせるとしっくりくるイケメンが
その世界で成功する一つのセオリーのようになっている気がする。

つまり、王道の正義のヒーローを演じられるだけでは通用しない時代。
レオ様もタイタニックのアイドル王子様から必死に脱出を試みて
ギャングオブニューヨークやディパーテッドやらで、
ひげ面の悪い奴を演じてみたり、

ブラピだって今までは決して「『ワールド・ウォーZ』みたいな
ベタベタの最強正義の味方みたいな役を演じることは無かった。

そういった意味で主演のデイン・デハーンの悲しげな「目」は、
















与えられた役柄に完璧にマッチし、

「こいつヤベーよ、何かやるぞ絶対。マジヤバイって。」

みたいな、次第に暴走し始める
超能力者としての不気味さをも表現することに成功している。


そしてそんなデハーン演じる主人公が良くも悪くも
物語の全ての鍵を握るのだが、ネタバレになるので詳細は触れない。


が、この映画が評価に値するのは、

力(超能力)を持ってしまった人間が
               その使い道を誤らないとは限らない


という二重否定の皮を被ったふりをしながら
ハリウッドの王道ヒーローモノに中指を突き立てるスタイルだ。


超能力を持った無邪気な高校生3人は、
最初は誰もがそうするように、しょうもないイタズラや
あくまでも内向きの「遊び」でその能力を消化する。
(画像参照)





















この力は彼らにとって非常に魅力的で、
それと同時に彼らはその力をどんどんと強め、進化させていく。

進化していくと同時に、彼らは自分たちに「力」がある、
自分は「強い」と思い始める。

思い始めるというか、実際に彼らは「強い」のだ。
その「力」で人を楽しませるにとどまらず、助けることだって出来るし、
そして人を「殺める」ことだって出来る。

そんな人間が関与できる極地でもある「生死」すら
支配下におけると実感し始めた彼らが向かう先はどこなのか?


ハリウッド映画を代表するスーパーヒーローたち、
バットマン、スパイダーマン、スーパーマン…
彼らは「力」を「正義」のために使う。

そんなもはや設定とすら思わない映画界での「常識」を
疑ってみたらどうなるだろうか?
ひっくり返してみたらどうなるだろうか?


力(超能力)を持ってしまった人間が
               その使い道を誤らないとは限らない


「力」を手にした少年達が迎える結末とは。
ぜひ、劇場で目撃して欲しい。






0 件のコメント:

コメントを投稿