数年前に見た映画だけど、今更ながらレビュー。
この映画は見る人を選ぶ。
そしてこの映画の感想でその人の恋愛観が割とわかる。
「一見クソビッチな女(サマー)に振り回される男の話」
と書いてしまうのは言わずもがなのタブー。
僕にとっては、非常に心に残る映画でした。
男はやはり理屈で考え、女は感性。
男は「付き合う」とか「別れる」とか形や理屈にこだわる。
サマーという美しすぎて自由すぎる感性に振り回される男。
でも、そう思うのはすべて男の視点でサマーを描いているから。
「俺は好きなのに!なんで?!」
「こんなことしたらもう付き合ってると言って良いだろ?!」
いくらラブラブでもSEXしても、「あくまでも友達」、
みたいなことを平然と言い続ける一見ビッチなサマーに
どうも素直に怒りを感じないのは、僕らが一度はそんな経験をしていて、
それも悪くないなって思えてしまっているから。
先ほどから放送禁止用語である「ビッチ」を多用してますが、
女性からすればサマーの行動は、
「トムはさほど好きな人では無い」
「結局、「本命」では無い」
といういたってシンプルな心理状態から来る行動として
ある意味ナチュラルであり、
だからこそサマーは、何の悪気もなく結婚してしまう。
男はきっと「ビッチ」っていう言葉に頼ることで、
ビッチな女に振り回されている自分のプライドを守っている。
そしてこの映画鑑賞後、嫌悪感を抱いてしまう男女は
少女マンガとか、恋空とかセカチュー見すぎ。
映画に夢見すぎ。
まぁ、そもそも映画って夢を見るものだけど、
みたいなこと言われると確かにそうだけど。
2人であらゆる困難を乗り越えて、結ばれる。
そんな恋愛至上主義映画をあざ笑うような映画です。
夢見る少女じゃいられないってことですよ。
ただ、あえて苦言を呈するならば、最後の落ちが美しすぎる。
恋愛至上主義に唾を吐きかけたかと思ったら、
美しい着地をして、嫌悪感を抱いて終わりそうな
視聴者の気持ちを和らげようみたいな
あざとさが少し見えてしまった気がする。
とはいえ、脚本はさることながら、
編集やカメラワークも秀逸な映画でした。
皆さんもぜひ、鑑賞後男女で賛否両論してみてください。
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