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※素人の戯言なので観賞本数増えるごとに点数は微調しています。悪しからず。
ラベル 80点以上(傑作!!) の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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2020年5月15日金曜日

映画『スキャンダル』88点


衝撃の実話。

圧倒的なテンポ感でよくもまあ日本人には馴染みのない背景や物語を
ここまで見せ切れるなという脚本と編集にまず大拍手。

強大な権力を持つ人間に対して、
セクハラ、パワハラ訴訟を起こすときのマニュアルとして完璧な説得力。

しかし弊社はまさかこんなことやってないよな?
と観賞後少しだけ不安になる映画。

映画『リチャード・ジュエル』86点


イーストウッド89歳、さすがの完成度という感じの実話モノ。
彼は最近もっぱら実話にこだわっているようだ。
ってか80超えて自分で監督してる意味がわからない。もはや脅威。

一見気を抜いてみてると「ジュエルかわいそう…」なんて思えるが、
それは"彼が無実"とわかって我々が彼を見てるから。

当時リアルタイムで彼をニュースを通してみていたら、
我々も彼を同じような目で見ていなかったか?
とスクリーン越しにイーストウッド先生が真顔で問いかけてくるかのような迫力があった。

映画『1917 命をかけた伝令』81点


バードマンと違ってワンカット撮影する意味がある"ワンカット風"撮影だった。
これ人死んでない?って思うしかないほどの迫力と
ダイナミックさを兼ね備えた撮影技法はさすがサムメンデス先生。

終始圧倒的緊張感に支配される映像体験は映画館で見る価値あり。
ただ、中盤の赤ちゃんあやすシーンは必要なのかな。

映画『ジョーカー』85点


まずこんなにも暗澹たる気持ちになる作品の監督が
ゴリゴリのコメディ映画クリエイターであるドット・フィリップスであることだ。
(代表作は言わずと知れた『ハングオーバー』シリーズ)

で、肝心の中身だけれど、
120分間退屈しない映画であることは間違いない無いんだけど、
"何が面白いか"と言われると、"面白く"は無い。
もちろんこれを見ていろいろと思うところはあるし、
自分が今生きる日本という国に置き換えた時に…
とか、色々考えさせられながら帰りの電車に乗ることは間違いない。

でもこれを使って現代社会の闇だとかどうかの本気の社会批評し出す人は苦手。

映画『ジョジョ・ラビット』80点


素敵な映画だった。
見て全く損はない。

が、これは本当に好みという問題だと思うが、
やっぱりナチス側を描くなら、彼らの会話が英語での会話だと
シリアスさが失われるし、リアリティも失われる。

ポップかつ子供を通して反戦を描くという点では
斬新かつ素晴らしい作品だと思うが、
突き刺さるものの強さという点で言うと、
個人的にはアカデミー賞での受賞結果が示している気がする。

でも良い映画です。読後感も非常に良いし。

映画『アス』83点


アカデミー賞脚本賞を受賞した
『ゲット・アウト』 の鬼才ジョーダン・ピール監督の監督2作目。

これは個人的には『ゲット・アウト』より面白かった。
2作目でしっかり前回を超えてくる感じが只者ではない。

最初ふざけてるのかと思うほど振り切った設定と演出が
次第にメタファーだと明らかになってくる感じが絶妙に良い。

全て解釈し終えてもう一度観ると景色が変わる映画という意味では
『ゲッド・アウト』に繋がるものがある。

そして何よりも、ホラーでありながらちょいちょい笑えるってのも凄い。
しかも笑わせに行っている笑いではないってのがまた良い。

映画『アメリカンファクトリー』80点


オバマ夫妻の制作会社による
アカデミー賞受賞のドキュメンタリー映画。

舞台は破綻した自動車メーカーGM跡地に作られた
中国の大手自動車ガラスメーカー。

このアメリカ工場が完成したことで新たな雇用が創出され、
路頭に迷っていたアメリカ人労働者は歓喜するが、
中国特有の軍隊的とも言えるストイック労働スタイルに
自由の国の住人達は全くついていけず。

お家芸とも言える権利を主張するため、
「組合作るぞ!」と声をあげるも、
そこも中国スタイルで反乱分子は即排除で大量解雇。

それでも中国についていく人がいたり、
陰口叩く人がいたり…
やっぱり文化と労働の融合は難しいなあなんて思っていたら、
次にやってきたのは自動化による人間そのものの大量解雇。
圧倒的皮肉。

映画『コンテイジョン』85点


コレはコロナ大流行の今だからこそ観る意味がある映画だ。

ケイトウィンスレット演じる医者が

「人は毎分3回から5回顔に触れ、その同じ手でドアノブ、
 エレベーターボタン、そして他人に触れる」

と言っていたのを聞いて以来、
エレベーターや公共施設のドアに触れることに敏感になってしまった。

結局この映画でのパンデミックも手洗いうがいを徹底したら防げていました。

「芸術は現実を予見する」
とはまさにコレで、
ラストのセリフなしの感染経路解説は心の底からゾッとします。

2019年5月6日月曜日

映画『ホース・ソルジャー』80点


実話。

信じられないが対戦車に対して主に騎馬戦で
12人の部下を1人も失わずにタリバンの本拠地である
北部の都市マザーリシャリーフを奪還し、
地元の反タリバン勢力をまとめあげた男の話。
リーダーはマイティー・ソーのアノ人














圧倒的な緊迫感の銃撃戦など、
終始"映画として"スリリングに面白く観賞できるが、
ふと"これは実話"だということを思い出すと、
あまりにもポジティブかつ意気揚々と戦士たちを讃える
嘘だろ?ってくらい団結する米軍と地元軍











映画のテンションに足踏みしたくなる自分がいる。

なぜなら同じく対テロ戦争を描いた実話ベースの
アメリカ映画としてヒットした
"アメリカンスナイパー(85点)"や"ローンサバイバー(83点)"を観ているから。

それらの映画にあった対テロ戦争への圧倒的虚無感と悲壮感、
そして帰還兵の深刻なPTSD問題、
これらを局面は違うとはいえ、
同じ対テロ戦争を描いた『ホース・ソルジャー』では1秒も感じないからだ。

でも多分その空気感も含めて"実話”で、
この12人のチームはアフガンの地で圧倒的な勝利をあげ、
圧倒的な高揚感と達成感で帰国したのだろう。
だから多分この映画は多少の美談は交えているとは思うが、
”正しい”んだと思う。

そして何より摩訶不思議なのが、この映画もヒットするし、
より陰鬱な『アメリカンスナイパー』はもっとヒットする
というアメリカという国と国民。

本当に不思議。というか恐怖すら感じる。

2018年5月10日木曜日

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』80点


フランスロケの機内で観た。
正直この手の映画ってガチファンがいらっしゃるから
あまり批評とかするべきではないとは承知の上で…

普通に面白い。

が、当たり前だがアイアンマンやスパイダーマンを始めとした
このスーパーオールスター軍団の各々のシリーズを
しっかり理解&予習できているかいないかで
だいぶその楽しさの深度は変わってくる。
(という視聴レンジという意味での80点)
”キャプテンアメリカ”って!って我に返っちゃう奴(私)に
アメコミを語る資格はない。











が、たいして思い入れのない鑑賞者(自分)ですら、
これだけヒーローたち詰め込みながらも、
各キャラの特徴を笑いを織り交ぜ、
しっかり際立たせて楽しめるというのは相当なものだと思う。

脚本の秀逸さ言うべきか。

あと何よりもいいのは、
どうせヒーロー軍団勝つんでしょっていう
おきまりの勧善懲悪をあざ笑うラスボスの圧倒的強さ。
強すぎてなんか絶望的に悲しくなるくらい強い。
強すぎて引いちゃう最強ボス・サノス












全然各キャラのファンでもないのに
クリリンが死んだ時並みの悲しさすら感じる自分がいる。

そして完全に続くじゃん!っていう
普通は欲求不満につながりかねない終わり方も
普通に早く次見たいっていう欲求にも繋がるし、
そういう意味でエンタメ映画として高レベルであった。

2018年2月8日木曜日

映画『ブレードランナー2049』87点(前作を観る&前作が好きという条件付き)


163分という上映時間はさすがに長いけども、
さすがすぎるぞヴィルヌーブという感じ。

公開当時は鬼スベりしたものの、
カルト的人気を誇った巨匠リドリースコットが手がけた前作。
ビデオ化にあたり複数のパターンのエンディングが編集で追加された前作。
それだけ複数の解釈を生んだカルト的作品だったわけだ。






















それだけファンが世界中にいる1982年の作品の続編を
35年後というワケのわからんタイミングで
「作る?」ってオファーされて快諾するメンタルが
すでに常人とは思えないが、

そのハードルをしっかり超えるべく、
前作を徹底的に愛し、ヴィルヌーブ的に解釈し、
その上でリスペクトし尽くした上で完成させた正当すぎる続編。
※ただしコレは、前作をそれなりに面白いと思った人にしか
  楽しくない映画であることは間違いないと思う。
















私自身も本当のファンの方々と比べたら
この映画への思い入れと解釈の深度はウンコです。

が、そんな私でも

"人は皆そう思いたがる"

あのセリフには痺れすぎて泣けた。
これ、CGじゃないと聞きました。
こういう映像美としても充分楽しめます。















デカルト先生もきっと唸る"人間とは何か?"を問い続ける160分。

しかしドライヴと言い、
ゴズリングはいつになったら報われるイケメンになれるのか。















まぁあの絶妙な悲しみの顔芸は、彼にしか出来ないから良いんだけど。

2018年1月30日火曜日

映画『ダンケルク』82点



クリストファー・ノーランらしい時間軸を使って構成された戦争映画。

が、それと同時にノーランらしくない106分という
鑑賞者側とすればありがたい適尺にまとめあげてきた戦争映画。
※前作の『インターステラー』(86点)は169分
『ダークナイト・ライジング』は165分
『インセプション』は148分



IMAXを思う存分使った美しい映像は見ものだし、
スマホは持たないと噂の奇才・ノーラン















ほぼ台詞がない中で緊張感を持続させる音の演出など、
全てが高レベルに凝縮された優れた作品であることは間違いない。
アカデミー賞を始め多くの賞にノミネートされたわけだが
この映画、評価がめちゃくちゃ難しい。


ハイレベルの中にたくさんの違和感がある。

まずノーランの「CGを使わない」という強いこだわりで、
数千数万という兵隊は、ダンボールのハリボテで表現するという
もはやコントじゃねーか!的映像。
もちろん言われなければ鑑賞中は絶対気がつきません。















戦闘機も実際に博物館か何かから引っ張り出してきて
飛ばしたっていうから奇才感半端ない。











が、しかし。
この映画に対して最も違和感を感じるのはそこじゃない。

ノーラン本人がインタビューで、
「戦争映画ではなくサスペンス映画だ」と銘打ってる割には、
救出のドキドキ感をエンタメ的に煽る作りにはなっていないし、
戦争映画おきまりとも言える戦場に放たれる兵士たちの人生模様、
家族背景的な物語はほぼ排除されているのだ。
一番左はワン・ダイレクションのハリー・スタイルズだが
どんなキャラか忘れた。














だから誰にも感情移入できない。

だけども圧倒的高レベルの映像美と音楽と音響効果によって
終始「いつ死ぬかわからない」という緊張感を
兵士たちと共に体感させられ続けるという謎の視聴体験。

これはノーランクラスの巨匠なのだから
絶対に”あえて”こういう作りにしているんだと思う。

その意図は何なのか?

「戦争」を「物語」として描くのではなく、
ただ「戦場そのもの」を描きたかったのだろうか。

戦場において兵士たちの家族背景や物語など全く意味がない。
そこは生きるか死ぬかの場所でしかないのだ。

そいつがどんなに良いやつでも悪いやつでも生きるか死ぬか。
そいつがどんなに大切で失いたくないものを背負っていようと関係ない。
突然死が訪れる。物語?そんなの関係ねえ!
そんなものおかまいなしに死が不条理に訪れる!それが戦場だ!

ってことなんですかねノーラン先生。