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※素人の戯言なので観賞本数増えるごとに点数は微調しています。悪しからず。

2013年3月10日日曜日

映画『ジャンゴ 繋がれざる者』70点



映画館でタランティーノ作品を見たのは初めてかも。















『イングロリアスバスターズ』での「怪演」が
記憶に新しいクリストフ・ヴァルツが
またもやアカデミー賞助演男優賞を受賞した作品。



という前情報の上で鑑賞したため、
どれだけの「怪演」ぶりを見せつけてくれるのだろう
という期待感で映画はスタート。



そして忘れちゃいけないのが、
ゼロダークサーティーに続いて、僕の隣には
外国人(今回は大柄なアフリカン系&日本人妻)。
これが後々というか開始早々鑑賞に大きな影響を与える。



肝心な映画の方は、タイトルにあるように70点。
毎回思うが、タランティーノの映画には良くも悪くも
そこに「思想」や「主義主張」みたいなものが
縫合されていない(ように見える)から、
とても気持ちが楽なまま、始まって終われる。



ただ、そんなエンターテイメント性は、
『ダイハード』のような思考停止で何も考えずに
見続けられる「エンターテイメント」ではなく、
彼独特の「台詞回し」や「ニッチな笑い」、
総じて言えば壮大なコントみたいなものを
嫌らしいほど見せつけてくるので、
世の中のタランティーノ好きみたいな人口が
増え続けているのだろうと思う。

それは今回も同様で、ビデオショップの映画マニア店員から
一流映画監督に上り詰めたタランティーノらしく、
エンターテイメントとして一級品の映画だったと思う。

その証拠に、僕の隣に座った大柄なアフリカンは
「えっ?そこで笑う?」みたいな所でも爆笑。
ほぼ笑ってた。


クリストフ・ヴァルツが乗っている馬車















が登場したときですら笑っていた。
たぶん上についてる歯のオブジェに笑ったんだろう。

今回抜群の存在感を示していた
サミュエル・L・ジャクソンの顔芸にも終始爆笑。
クリストフ・ヴァルツが吐く大小様々な毒にも終始爆笑。

音楽が鳴り始めると同時に、
縦ノリ・横ノリ縦横無尽。
面白かった台詞は自分でリピートしてもう一回笑う。

「この人毎日幸せだろうな」
って心から思えるほど
タランティーノの映画を見て爆笑するアフリカン。

その隣で鑑賞する僕。

唯一疑問だったのが、
この映画、奴隷解放前のアメリカを描いているので、
終始「ニガ-」という差別用語が飛び交い、
終始圧倒的な、時には目をふさぎたくなるような
黒人差別が描かれているのだが、
僕の隣に座ったアフリカンは、そんなこともお構いなし。
「ニガ-」にも爆笑。
黒人差別を皮肉に笑いに転換した場面も爆笑。

思わず「この人はどういう気持ちで笑ってるんだろう」
と、考えさせられるほど気持ちよく笑っていた。
自分の祖先が圧倒的な差別を受ける
そんな場面を例えエンターテイメントの映画だと
割り切っていてもそんなに笑えるんだろうか。

逆に僕は「キル・ビル」を見たときに、
日本人、武士道を圧倒的に馬鹿にされている気がして
とても不愉快になった。

そんな自分は小さな人間なのか、
こうやって笑い過ごせる大きな心を
持った方が幸せなのかも、
そんなことを思わせるほどのアフリカンの爆笑ぶり。

というわけで今回の鑑賞はそのアフリカンありきの鑑賞となってしまったが、
一つ忘れてはいけないのが、クリストフ・ヴァルツ目線で鑑賞開始したジャンゴだったが、

鑑賞後、圧倒的に脳裏に刻まれたのはレオナルドディカプリオ。















レオ様には似つかわしくない、
極悪非道の悪役を演じきったわけだがその迫力たるや本当に見事だった。

アイドルのように華々しく世界的スターとなった
レオ様は、実は圧倒的に演技派だったんだ!
ってディパーテッドの時も少し感じたけれど、今回は別格中の別格。

僕としては彼が助演男優賞を
受賞すべきだったと思えるほど。

サミュエル・L・ジャクソンの顔芸とコント、
レオ様の圧倒的な悪童ぶり、
クリストフ・ヴァルツの安定した存在感、
忘れちゃいけないジェイミー・フォックスの
黒人差別に対する抵抗の意思を
静かに演じきった力量、

そして頭からケツまで壮大なコントを作り上げ、
最後には自分も出ちゃうタランティーノ。
エンターテイメントとして普通に面白かったので70点。
皆さんも劇場で是非。

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