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※素人の戯言なので観賞本数増えるごとに点数は微調しています。悪しからず。

2013年2月5日火曜日

映画『アウトロー』67点




『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』以来のトムクルーズ作品。

佳作中の佳作。キングオブ佳作。
採点が難しいけど、67点。

PRを見ていて、トム様のかつての作品『コラテラル』的な
「アウトロー」を予想していたのだけれど、
予想以上にポップな「アウトロー」だった。

往年の名作『ユージュアル・サスペクツ』の脚本家、
クリストファー・マッカリーが監督と言うことも有り、
物語は、「5人が殺害された事件の背後に隠された“謎“」を
解き明かしていくというサスペンスミステリー。

しかしそこには、『ユージュアル・サスペクツ』並の
素晴らしい緻密に練られた構成は見られない。
残念ながら。

ネタバレになるので、これから見る人は読まないでほしいが、
最後まで、実は裏切り者だった黒人警官が
悪に手を染めた理由が分からなかったし、
そもそもなぜ悪の親玉は今回の事件を起こしたのか、
というより、ここまでしてこの事件を起こすべきだったのか、
いや、そもそもおまえ何者なのいったい的な
謎は一向に解き明かされる気配が無いまま時は進む。

ではなぜそんな物語的に破綻しているように見える
「アウトロー」は世間的に評価が高い「ルーパー」よりも
点数が高いのか?(67点と65点)

この映画は、先述したように、事件は解決されるものの
そのトリックにはアガサクリスティー大先生のような
鳥肌の立つような展開構成では無い。

目立つのは相も変わらずトム様の無敵ぶり。
これはMIシリーズにも言えることだが、見ていて単純に痛快。
タイマンは相変わらず圧倒的に強い。小さいのに。
ドライビングテクニックも圧倒的。小さいのに。
タイマンを見ていて思ったが、彼には対人戦の時に
圧倒的に自信を持っている動きがあることに気づいた。
相手の背後をとって、
素早く自分の右肘を対角線上に振り下ろす。
この一撃手で相手の足を粉砕するんだけど、
この動きはトム様のあらゆる映画の対人戦で見られる。
きっと得意な形なんだろう。

話がそれた。

で、その単純明快な痛快さで、
まず2時間弱、特に飽きる時間も無く見れる。

そして何よりもこの映画の特徴が、
無敵のトム様、アウトローのトム様が、
すかした「笑い」を提供してくれることだ。
これはMIシリーズには無い。
新しいトム様なのか。

この笑いがまた何とも言えないところをつついてくる。
アメリカ的な大味な笑いではなく、
くすくす笑い的な、すかしの笑いなのだ。

トム様が守るべき女を人質に取られ、
犯人からトム様に電話がかかってくる。
それをとったトム様は、相手の弱みを握っていることを
知らせ、「女はご自由に」と言って電話を切る。

さすが「アウトロー!」
ただの正義の味方とは違うぜ!

とベタな「アウトロー」で着地したかと思いきや、

今回のトム様は、すぐに電話をかけ直す。
「やっぱりおまえを殺す!」
そして切る。

と思ったらまた思い出してかけ直す。
「場所を教えろこのやろー!」

何この下り。
必要?

でも間違いなく映画館の空気的にはスベってなかった。
こんな笑いを全編通して織り交ぜてくるから、
コラテラル的なアウトローを予想していた僕は
逆をとられた力士のように、土俵で回された。

つまり、なんか変なツボに入った。

これに大味の痛快アクション、悪者退治ストーリーが
組み合わさったアウトロー。
緊迫ムードが続いていても、
中毒的にあの「すかし笑い」がほしくなってる自分がいた。

つまり、脚本の粗雑さをカバーできる
斬新な特徴を持った映画だった。
これが期待を裏切り続けた「ルーパー」との差。

でも今になってよくよく考えてみると、
このトム様が演じた

「圧倒的に強いけどユーモラス(やや天然)」

って、同時期?に大流行したジェームズボンド先輩の
流儀を取り入れちゃったのか?もしかして。
とか思い始めると、これまたなぜか逆に、
加速度的にトム様のアウトローが
愛らしいキャラに見えてくる、そんな不思議な映画でした。

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