映像制作に携わる人間の観点として書いてみたりしたが、
それとはまた違う観点で「なぜ映画を観るのか?」に対する答えを
最近見つけたので少し書いてみようと思う。
何か辛いことや、やってられないことがあったら、
『ローン・サバイバー(78点)』のDVDを観ることにしている。
なぜなら
「この映画の主人公達以上に自分が絶望的であることは絶対にあり得ない」から。
この映画の主人公は世界最強とも言われる
アメリカの海軍特殊部隊ネイビーシールズの4人だ。
彼らの何がどう最強かというと、
訓練期間中に8割以上が脱落する中で生き残り、選び抜かれた最強部隊なのだ。
その想像を絶する絶望的で過酷な訓練は、
映画の冒頭にも実際の映像らしきものが差し込まれるのだが、
両手両足を縛られて、プールに突き落とされるという
もはや過酷というレベルを超え、拷問に近いものだ。
そんな訓練をくぐり抜けた猛者どもの最強ぶりは様々な映画でも描かれていて、
『キャプテン・フィリップス(82点)』では、
数百メートル離れていて、さらに揺れた船の上から、
揺れた船に乗る海賊を一発で射殺するという離れ業をあっさりとやってのけたり、
『ゼロ・ダーク・サーティー(84点)』では、
あのビンラディンの暗殺をした部隊でもある。
その世界最強の男達が圧倒的な絶望的状況に追い込まれるのが
この『ローン・サバイバー』だ。
最強の男達が体中ボロボロ。血だらけ。 |
この映画、何が絶望的かって、
米軍4人に対してタリバン300人以上。しかも実話。
全身骨折は当たり前。
そこにはハリウッドお決まりの「お前はなぜ打たれないんだ!」的な
お決まりの主人公だけはなぜか被弾しないなんていうフィクションは存在しない。
全身あらゆる箇所をタリバンに打たれまくって体中穴だらけ。血だらけ。
世界最強と言われるネイビーシールズの彼らでさえ、多勢に無勢。
それでも彼らは死ぬ間際まで世界最強の部隊としての意地を見せ続ける。
圧倒的な射撃の腕はもちろん、
打っても打っても数が減らないタリバン軍団に、
信じられない角度の断崖絶壁まで追い込まれて、
万事休すかと思ったら、1秒の間もなく「飛び降りるぞ!」と4人ともダイブ!
極限に追い込まれてもなお、この決断力、判断力の早さ!
当然石ころのごとく断崖絶壁を転がり落ちる彼らは全身ボロボロ、
各所骨折のままさらに追い込まれていくのだが・・・
そう、つまりなぜこの映画を観るかというと、
この人達の絶望感に比べれば、自分の痛みや悩みなどたいしたことは無いと。
むしろ比べることすらおこがましい。
こういう映画の使い方、見方もある。それが今回の結論。
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