2010年のヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞作。
DVD観賞。
ソフィア・コッポラ監督自身の幼少時代の思い出から
着想を得た映画らしいが、秀作。
今回も終始洒落た演出を見せたコッポラ |
近作の『ブリングリング』(75点)より質が高い。
その所以は、
彼女の作品の真骨頂でもある「メタファー」が、
より高度に、かつ存分に発揮されている点。
特に印象深いシーンは、冒頭数分間、定点カメラで
主人公である売れっ子俳優が自家用車の高級スポーツカーで
ただひたすらに同じコースを回り続ける様子をおさめたシーン。
これがタダひたすらに長い。ホントに長い。
最初何のこっちゃと思うが、実はこのシーンこそ、この映画の神髄。
これは彼のルーティン化された退屈で空虚な日常を
メタファーを用いて表現したものだと思われるが、
その行き着く先は、エンディングにおける
メタファー的な彼のドライビングシーンで完成される。
ネタバレって程では無いが、コッポラのドヤ顔が目に浮かぶほど
オープニングとは美しく対照的なエンディングにご注目。
そしてこの映画の魅力をさらに高めているのが、
ダコタファニングの妹、エルファニング。可愛い。
そして抑圧された演技も素晴らしい。
そして何よりも、全く作風の違うタランティーノが
審査員長として絶賛して、金獅子賞を与えたらしくて逆に彼を見直した。
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